■住宅ローンとは
住宅の購入は人生でも一番大きな買い物となります。一括払いで購入出来ればそれに越した事はありませんが、住宅ローンで購入資金を金融機関等から借入し、30年、35年・・と長期に渡り返済をして行くのが一般的です。
現在では住宅ローンを取り巻く状況は激変しており、これまで以上に情報を集め、比較・検討しなければなりません。実際に、どの住宅ローンが良いか?どういった資金計画が好ましいか?といった点については頻繁に答えが変わっています。
住宅ローンには色々な種類があり、どれを利用するかで将来の家計などに大きな影響が出てきます。まず、借入先による種別としては『民間融資』に加えて、証券化ローンである『フラット35』に分かれます。一方、金利に着目した場合、『固定金利型』と『変動金利型』の2つがあり、変動金利の一種である『固定金利選択型』も広く利用されています。
■住宅ローンの金利の種類
住宅ローンの金利は、大きく『固定金利』と『変動金利』の2つに分類されます。
どちらを選ぶかで将来的な損得が変わってくるので、住宅ローンを選ぶ際に最も重要なポイントとなります。
【固定金利型】
住宅ローンの金利のうち、借入時の金利が返済完了まで続くものを『固定金利型』といいます。
証券化ローンである『フラット35』や、一部の民間住宅ローンで採用されています。
当初の一定期間より、それ以降の金利が若干高く設定されている『段階金利制』というシステムも、固定金利型の一種です。全期間固定金利型の段階金利型も、いずれも借入時点で将来の金利が決まる為、将来的な返済額も予め確定するというメリットがありますが、金利水準は変動金利型より高くなっている事が一般的です。
【変動金利】
『変動金利型』では、一定期間毎に適用金利が見直されます。民間の変動金利型ローンの場合は、半年毎に見直しされるのが一般的です。
ただし、実際の返済額は金利が変わる度にではなく、5年毎に見直しが(再計算)が行われます。
また、見直し後の返済額には、直前の返済額の1.25倍を上限にするという規程(125%ルール)があり、たとえば直前の返済額の1.25倍が10万円であれば、6年目以降、次の5年間の返済は12.5万円までとなります。
一方で、変動金利型の一種として人気が高かったのが『固定金利選択型』です。
こちらは変動金利型をベースに当初の一定期間における金利が固定される仕組です。
これも固定という文字が付いていますが、選択した一定期間が終了した後は変動金利に戻る事になりますので将来的な金利上昇リスクがあります。
この他にも変動金利の中には通常より金利が若干高い代わりに適用金利に上限が付いている『上限金利付変動金利型』というタイプもあります。
なお、一部の民間ローンでは、7対3の比率や半分ずつなど、固定金利と変動金利を組み合わせて借りる『金利ミックス型』もあります。
■住宅ローンの種類と特徴
・固定金利型の住宅ローン
【フラット35】
住宅金融支援機構と民間金融機関とのコラボレーションタイプの住宅ローン。ほぼ全ての金融期間と多くのノンバンクが取り扱う。一億円以下の優良物件等で利用出来る。
低利の固定金利で融資限度額は原則として物件価格の90%以内。保険料は不要だが、団体信用生命保険料の負担が発生する。
金利水準:2.7%~3.2%程度(フラット35S等は当初一定期間0.3%などの金利優遇有り)
【民間住宅ローン(固定金利型)】
一部の金融期間等が取り扱う。全期間に渡る固定金利型で、金利優遇等の状況によってはフラット35より有利な場合がある。
金利水準:2.2%~4.0%程度(金融機関等で異なる)
・変動型の住宅ローン
【民間住宅ローン(変動金利型)】
金利水準は固定金利型と比べて低めだが、適用金利が半年ごとに見直されるタイプが一般的で、将来的な変動リスクがある。
金利水準:0.865%~2.725%程度
【民間住宅ローン(固定金利選択型)】
変動金利をベースとし、当初の一定期間(2~10年が一般的)は金利が固定されるタイプ。固定期間終了後は、変動金利に戻るか、その時の金利水準で再び一定期間の固定金利を選択出来る。
金利水準:『10年固定』の場合で、1.2%~2.4%程度